ブルーロック第七話 滾り
久遠の裏切りによりピンチのまま続く試合。圧倒的に不利な状況で、諦めない潔に呼応する様に復活する千切。チームZの試合の行方は。
ブルーロック第七話 Aパート 熱
久遠の裏切りによりチームZ全員の情報がチームWにもれ、おまけに12対10と絶対的に不利な状況となる。そんな中、唯一情報が洩れてない千切は、まだくすぶっていた。
久遠の裏切りによりピンチになるチームZ。
12対10と人数的に不利になった状態で1点を追加される事は負けを意味する。
さらに千切のエンジンはかからず12対9の様相を呈していた。
チームWにボールを奪われ、シュートを打たれるもギリギリキーパーが止める。
「この試合はもう負けなきゃいい!引き分けでいいんだ。あと一点取って追いつば引き分けでギリ望みはつながる。」
こぼれたボールを取りに行った千切に鰐間が言う。
「おっせーなー。お前のサッカー人生。今日俺たちが完全終了させてやる。」
ラコステ実業で鰐間は先輩で千切は後輩だった。
千切は入部早々結果を出してワントップで全国優勝もできる位置にいたが、前十字靭帯断裂で療養を余儀なくされた。
リハビリを終え戻ってきた千切は走る事を恐れていた。
「この右足がぶっ壊れるのが怖いんじゃない。
今までです。世界一になれるって信じてた。 俺が俺じゃなくなるのか怖いんだ。」千切りは思う。
「後5分後5分で俺たちは負ける。
これで、俺のサッカー人生は終わる」そう思った時潔世一の声が響く。
「走れ千切、まだ終わってない。」
ブルーロック第七話 Bパート 復活の俊足
1人自分が決めるとあきらめない潔。千切を押しのけてボールを自分で回す。その潔を見て熱さを受け、滾りを覚えた千切は復活する。
チームZの情報は筒抜けで潔はボールを出すところがない。
負けるのは嫌だ、終わりたくない。
俺が決めてやる。
そう思い個人技でしかけるもクリアされてします。
しかし、潔はあきらめない。
ボールを追う。
ボールは千切の前に行くが、潔は千切を押しのけて自分でボールを持ちあがる。
「この俺にどけだと。ふざけんなこのまま負けりゃ終われるのに。 サッカー諦めて楽になれるのに。 ああ、くそ。 なんで俺は、そっか、潔お前はあの時の俺と同じなんだ。 世界一になれるって信じてサッカーにすべてをかけてたあの時の。 俺は何を怖がってる?天才じゃなくなること。 この右足が壊れることは二度とサッカーができなくなること。 本当はそんなこと全部どうだってよかったんだ。 なくしちゃいけないのは、信じなきゃいけないのは、今お前を見て熱くなってるこの俺の滾りだ。」
「壊れるなら壊れろ。これで最後でもいい。行くぞ右足。」
かろうじてボールを意識した潔。
潔はボールを誰も居ないエリアに出す。
クリア、これで終わりだ。
だれもが思った瞬間にフィールドを駆け上がる千切の姿があった。
誰もをぶち抜き、ボールを取る千切。
誰も追いつけない速さでボールを前線に持っていく。
ディフェンスはファール覚悟で止めようとするが、自分でスペースにボールを出し、そのパスに自分で追いつくほど加速する千切。
キーパーが前に出るが、更に加速した千切はボールに触りゴールする。
4-4
チームZは同点で試合を終える。
凄いと駆け寄る潔。
すげえよ、お前走れるじゃん!その足」
その潔に千切は言う。
「お前のせいだ、お前見てたら熱くなって気がついたら走ってた。 俺は何か大事なのかわかんなくなった。でも違ったんだ。 怪我する前の無敵の俺はもういないけど。 サッカーを失う怖さを知って、それでもまだ熱くなる俺が今の俺だ。 俺はこの新しい自分を信じたい。 ありがとう潔、俺は走るぞこの足が壊れるまで。 この熱が尽きるまで。」
「おお、一緒に戦おうぜ!」
という潔。
しかし千切は、
「一緒に、勘違いすんなノロマ! ここはブルーロックだ。 世界一になるのは俺だ。」
「やってみろ。世界一は俺だ。」
と潔は返す。
久遠は、チーズVにも同じように裏切りを持ちかける。
しかし、チームVに断られる。
「なんでこの人こんな必死なの? 負けてもやりたいほどサッカーって面白いの?」
チームVのこの言葉に、
「おい待てよ。サッカー舐めんな」
と潔は言う。
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