ブルーロック第十八話 主役の座(ステージ)
屈辱に歪みながらも敗北を認めていく馬狼。キングであった自分はもう脇役だった。しかし、敗北に絶望しながらも覆そうとする力馬狼を進化させていく。そして潔達のチームは馬狼のシュートで1点を得る。
ブルーロック第十八話 Aパート 絶望の才能
敗北を認め、自分が主役ではなく脇役だったことを認め絶望する馬狼。しかし、深い絶望は彼に覚醒を与える。
「何でこの俺が1点すら奪えずひれ伏してる?」
馬狼は回想する。
馬狼は、自分と同じようにサッカーに命を懸けてきた人間を主役の座から引きずり下ろす快感を得るためにサッカーをしていた。
馬狼は仲間の目を盗んでキックオフでシュートを狙ってくる。
しかし、ゴールポストに当たりゴールならず。
ルーズボールは國神が取りに行くが、凪に詰められる。
走り込む玲王にパスをするが潔がそれを読んでいた。
しかし、そのボールに玲王が食らいつく。
ボールは馬狼の所へ。
自分のシュートレンジは開いてる。
少し運べば決まる。
そう思ったが千切がスピードで寄せてくる。
あと一歩が足りない。
馬狼思った目の前に潔が走り込んでくる。
「俺に出せ」
潔の要求に思はず馬狼はパスを出す。
もらった潔は、ゴールを決める。
「いいパスだったじゃん、ヘタクソ。
お前は俺のゴールの為に動け。」
今まで自分が言っていた事を潔に言われる。
初めて馬狼は敗北を感じる。
「今の潔はヤバイ。」
潔にボールを渡さない、渡したら負けだと思えと國神、千切、玲王はマイボールで勝ち切ると誓う。
千切のスピードがやばいと凪と潔は考える。
その前に止める。
「何か思いついた?」
「ああ」
馬狼とは共有しないのと聞く凪。
「落ちたキングに何言っても無駄だろう。 ラストプレイは俺と凪で決める。」
「御意。」
ここにきて凪は潔の指示に完全に従う事を決めている様だ。
完全に攻め手を潔に読まれて攻め手を失くす玲王。
潔との駆け引きの間に千切りへのパスコースが見えた玲王は千切にパスを出す。
しかし、凪は千切を追わず、パスボールに突っ込んでいく。
「いーパスだ玲王。 俺たちはこれを待っていた。」
全て潔の読み通りだった。
「敗北を認めたら、フィールドはこんなにもアイツのゴールの為に輝いてるんだな。」
「今の俺にはお前らはまぶしすぎる。」
今まで自分にパスを出してきた脇役もこんな気持ちだったのか?
「俺のパスで勝てる。 これがチームってやつか これがアイツらとの化学反応ってやつか。 託すってやつは敗北の中にいうる俺を確かに救ってくれる。 でも、それは夢破れた人間がこれまでの人生を否定しないための現実逃避。 敗北者の言い訳だ。」
「俺はこんな未来を生きたいわけじゃ無い。」
脇役なんかで終わらない。
その一心で馬狼は覚醒。
潔をもおとりにして全員を抜き、ゴールを決める。
「この邪道こそが俺の新しい王道。」
馬狼は吠える!
ブルーロック第十八話 Bパート 敗北は岐路
絶望は岐路。大事なのは敗北によって何を掴むか。敗北をごまかさず、しっかりと絶望し、見えていた道筋とは違う道筋を見つけ出す事で絶望が岐路にかわる絵心は言う
スコア4-5
潔、凪、馬狼の勝利が宣言される。
馬狼は潔の首ものを掴んで言う。
「まずは撤回しろ。 俺は下手くそか。」
「ごめん、俺が間違ってた。 お前はやっぱすげー奴だ。」
「お前といると調子狂うぜー。」
潔と馬狼かみ合わないなりにお互いを意識し始める。
そこに凪が勝ちだ勝ちだと上から飛び乗ってきて3人とも倒れる。
「チョップドリブル。 あんなんできんなら言っとけ。」
と凪。
「思いついたんだよ」
馬狼は言う。
「どうやって?」
潔は尋ねる。
「俺は今までこのフィールドは俺 1人のものだと思ってた。 俺かそれ以外しかいないと思ってた。 でもお前らが生まれて初めて、俺からフィールドの主役を奪った。 だからブルーロックで生き残るために悪役としてフィールドを制圧する方法を見つけた。ただ、それだけだ。」
と馬狼。
馬狼は初めて潔の事を潔と名前で呼ぶ。
馬狼の覚醒も計算済みなのかと聞かれて、絵心は答える。
「いや、あれは彼の才能。」
更に絵心は言う。
「敗北ってのは勝負の世界に必ず発生するただの現象だ。 例え世界一のストライカーでも全戦全勝なんてあり得ない。 大事なのは敗北に何を学ぶかだ。 敗北したものはそのフィールドから否定される戦う者にとってそれ以上の絶望はない。 なのに多くの凡人どもはこの絶望を正しく刻まない。 ここ重要。 非力だったと否定され、間違いを認めるのが怖いから無意識に言い逃れをするんだ。 それはそれは見事に無意識に。 いやまだ始まったばかりだ。 そうだ人生に試合終了なんてない。 今までの努力を無駄にしないためにも諦めないのが正解だと己を錯覚させる。 それを俺は夢のドーピングと呼ぶ。 叶えるためにあったはずの夢が、いつの間にか追うことが目的にすり替わる。 そうやって己をごまかし続ける夢の亡霊になったゴミに俺は 1mm も興味はない。 夢は叶えるために生きなきゃ意味がない。 だからこそ敗北は夢の岐路だ。 必要なのはこの瞬間に己の非力を痛感できる強さ。 絶望する才能だ。」
「思い描いた夢の道筋を諦めることでしか見ることもできない道筋があり、それが新しい己の可能性となる。 絶望してもなお戦わんとする人間に夢を叶える力は宿る。 さあ敗北者どもよ。 次はお前らの岐路だ。」
國神、千切、玲王の3人は自分たちの敗北に打ちひしがれる。
「あのパスさえ通っていれば。」
と千切。
「俺は通用しなかった。」
と國神。
「負けた、俺は何のために?」
と玲王。
勝者が敗者から奪う時間が来る。
「凜に勝つために、蜂楽を取り戻すために。」
潔達は1人を選ぶ。
「誰にする?」
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