氷菓 第五話 伝統ある古典部の真実

氷菓 第五話 伝統ある古典部の真実は、45年前の真実を推測すし、だれもが納得いく推測に到達した折木奉太郎だったが、姉からの電話で自分の推測が間違っている事に気づく。そして、真実を知る図書館司書の糸魚川先生に話を聞きに行く。伝統ある古典部シリーズの最終話。

  1. 氷菓 第五話 Aパート
  2. 氷菓 第五話 Bパート 夏至

氷菓 第五話 Aパート

氷菓 第五話 Aパートは、折木奉太郎の推測が正しく、それで決まりだと思っていたところに姉からの電話がかかってくる。自分の推測が間違っていると気づき自問自答する折木奉太郎だった。

「奉太郎の推理通りなら僕たちのかんやさいは少なくとも 1人の高校生活を代表に成り立ってることになるね。 でも驚いたよ。」

「何がだ?」

「奉太郎が謎解きをしようとしたこと、自体にさ。」

「俺も驚いた。」

「神高入学以来、奉太郎はいくつか謎解きをしてきたよね。 なんでそんな面倒なことをやったか理由は分かって。千反田さんのためだろ。」

「千反田のせいだ。」

「それでもいい、だけど、今日は違った。 引くこともできたはずなんだ奉太郎は。 今日謎を解く責任は僕らの間で 4 等分されていた。 わからないと言って逃げても誰も何も言わなかったと思うんだよ。 なのに、なんでトイレにこもってまで解答を見つけようとしたんだい。 あれも千反田さんのためだったの?」

「いい加減灰色にも飽きたからな。 千反田だときたらエネルギー効率が悪いことこの上ない。 部長職か文集作り、試験。そして過去の謎解き。よく疲れないもんだ。 お前も伊原もな。 無駄の多いやり方してるよお前らは。」

「まそうかもね。」

「でもな。隣の芝生は青く見えるもんだ。お前らを見てるとたまに落ち着かなくなる。俺は落ち着きたい。 だが!それでも俺は何も面白いとは思えない。 だからせめてそのなんだ、推理でもして 1 枚噛みたかったのさ。」

「お前らのやり方にな。」

「何か言えよ。」

「奉太郎は?奉太郎はバラ色が羨ましかったのかい?」

「かもな。」

「あれがバラ色なんだろうか?わからん。 過去探求する千反田、かんやさいを守った関谷淳。 あんな風に俺はなりたいのか、本当にバラ色になりたいのか? わからん。 そもそもバラ色とは何だ? 分からん。 バラ色と言ったら姉貴もそうだ。 きっと 10 年後、この毎日のことを惜しまない、か? 25 歳の俺は 10 年前をどう振り返っているだろう。 関谷純は惜しまなかったはずだ。 俺は?」

自問自答する折木奉太郎。

その時、姉から電話がかかってくる。

今関谷淳の事を調べてると姉に言う。

「じゃ、かんやさいはまだ禁句なの?あれも悲劇だったわね。優しい英雄でしょ。」

奉太郎達の認識とは違う事実を姉は伝える。

教えてくれと言う奉太郎に対して、そんな暇は無いと電話を姉は切った。

「関谷純は高校時代を惜しまないだろうか。 惜しむはずがないと思っていた。 自らの、そして仲間たちの情熱に準じて高校を去った英雄はその自己犠牲を悔やんでいるはずもない。 どこかでそう思い込んでいたんだが、本当にそうだろうか。 たかが文化祭で学校を終われ、人生の局面を変えられて。 高校生活といえばバラ色だ。 だが、その高校生活を途中で打ち切ってしまうほどの強烈なバラ色はそれでもバラ色と呼べるのだろうか。 そんなはずはない。 仲間のために準じて全てを許す。 そんな英雄が想像してたまるもんか。 それに姉貴はあれを悲劇と呼んだ。 関谷純の高校生活は本当にバラ色だったのか。 突き止めてやる。」

部室に全員を集める折木奉太郎。

昨日の結論に捕捉する事があると折木奉太郎は言う。

この事にまだ知らなくてはいけない事が有るようですと千反田える。

大概の事は捕捉できるだろうと折木奉太郎は言う。

この話は英雄譚ではなかった。

文集にちゃんと書いてある。

犠牲と書いてあるが、犠牲(ぎせい)で良いのか?犠牲(いけにえ)では無いのか。

疑問を語る折木奉太郎。

書いた本人しか分からないだろうと言う他の面々に、じゃ本人に聞いてみればいいと言う。

実は郡山養子は、図書館司書の先生だった。

先生に聞けばわかる。

なぜ英雄譚でなかったのか?なんで氷菓なんて奇妙な名前なのか?そしておまえの叔父の事も。

誰もが思う、氷菓のタイトルはなぜ?がここにきて注目を集める。

4人は話を聞きに図書室へ向かう。

氷菓 第五話 Bパート 夏至

氷菓 第五話 Bパート 夏至は、実は氷菓第二号の文章を書いていたのが図書館司書の糸魚川先生だとわかり、4人は糸魚川先生に45年前の真実を聞きに行くことに。そして、古典部の文集の名前がなぜ氷菓なのか?その悲しい真実に行きつく。

氷菓第二号を見せて、書いたのが図書館司書の糸魚川先生だと確認をとる。

だいたい聞きたい事が何かわかったはと糸魚川先生。

なぜ、あんな昔の運動をしらべているのかと、もう忘れさられた事だと思ってたと言う。

千反田が好奇心の猛獣、いや、好奇心の亡者でなければ気づかなかっただろうと奉太郎はかたる。

千反田えるは言う。

45年前に何があったのか?

あの事件はなぜ英雄譚でなかったのか?

なぜ、古典部の文集は氷菓と言う名前なのか?

折木さんの推測はどこまで合っているのか?

と。

折木くんの推測?と不思議がる糸魚川先生に、折木奉太郎が推測した事を伝える。

折木くんの推測はほとんど事実だと言う。

これ以上何が効きたいのかと。

俺が聞きたいのは 1 つです。関谷純は望んで全生徒の盾になったんですか? 前世との代表として英雄らしく胸を張り、バラ色の高校生活に殉じて学校去ったんですか?」

折木奉太郎は尋ねる。

先生の説明では、関谷純は決して英雄的な行動で責任を取る事になったのではなかった。

むしろ押し付けられてしまった。

実質的なリーダーは別の人間で、表向きのリーダーを押し付けられてしまったのだ。

運動は盛り上がり、授業のボイコットなどがあり、校庭でキャンプファイヤーをおこなって生徒たちは奇声を上げた。

そして、格技場が火事になった。

学校側は、警察の介入を許さなかったけど、見せしめとして名目上のリーダーである関谷純を退学処分にしたのだ。

氷菓の第一話、千反田さんが見ていた格技場が古かったのは、校舎とは別のタイミングで立て替えられたからだった。

「ひょっとしてかんやさいの 「かんや」って。字は神山じゃなくて関谷って書くんじゃないですか?」

「福ちゃんどういうこと?」

「かんやさいの由来さ?英雄をたたえて関谷。その読みを変えて「関谷祭」かんやさい。でもその呼び名は欺瞞だよ。」

だから古典部ではかんやさいは禁句になっていた。

叔父はなぜ古典部の文集に氷菓と名づけたのか?千反田は問う。

「その名前は退学を予感した。関谷さんが珍しく無理を通して決めた名前なのよ。 「自分にはこれくらいしかできない 」って言ってね。 でもごめんなさいね意味はよく分からないの。」

「分からない。本当にわかってないのか?」

「誰も受け取れなかったというのか?あのくだらないメッセージを。」

折木奉太郎は声を張り上げる。

「わからないのか? 今の話ではっきりしただろ。 氷菓ってのはくだらないダジャレだ。 関谷純は俺たちみたいな古典部の末裔にまで自分の思いが伝わるようにしたんだ。」

「評価を英語にしたらどうなる?」

折木奉太郎は問う。

「アイスクリームですか?アイスクリーム。それがメッセージなの。」

まず福部里志が、そして伊原摩耶花が表情を曇らせる。

千反田だけが分からない。

奉太郎は紙に英語でアイスクリームを書く。

それを見た千反田えるの目から涙が流れる。

「思い出しました。」

「私は叔父に氷菓とは何のことかと聞いたんです。 その時叔父は私に。そうです。強くなれと言ったんです。 もし私が弱かったら、そう、悲鳴も上げられなく日が来るって。 そうなったら私は生きたまま。 私は生きたまま死ぬのが怖くて泣いたんです。」

「良かった。思い出せました。これでちゃんと叔父を送れます。」

奉太郎が書いたアイスクリームは「I

cr

am」だった。

関谷純は叫んでいた。

文化祭に向けて文集氷菓を書くことになった、奉太郎は一番多い45年前隠された真実という一番ページ数の多い記事を担当となっていた。

最初は嫌がっていたが、しぶしぶ引き受ける事に。

帰り際、奉太郎はえるに聞く。

「前里志と伊原にも協力を求めたらどうかと言っただろう。最初は渋ってたのに、どうして急にその気になったんだ。」

と。

「それはあの時折木さんは言いましたよね? 叔父の謎が解けなくても、いつかは時効になっていくと。 確かに10年後の私は気にしないのかもしれません。 でも今感じた私の気持ち、それが将来どうでも良くなってるかもなんて、今は思いたくないんです。 私が生きてるのは今なんです。だから。」

千反田えるは答える。

折木奉太郎は姉に手紙を書いた。

どこまで予想して自分を古典部に入れたのかと。

アドバイスありがとうと。

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