伝統ある古典部の再生

氷菓の第一話、伝統ある古典部の再生のストーリーを紹介します。

ネタバレを含みますので、アニメをまだ見たことが無くて、ネタバレはNGの人は、このページは読まないでください。

第一話 伝統ある古典部の再生 しったか情報

ここさえ押さえておけば第一話の情報としてはしったかできるのではって情報をご紹介します。

1.部室に入る時鍵がかかっているのに中に女子生徒がいる

2.なぜ閉じ込められたのかの謎を解く

3.「私、気になります!」やる気がない奉太郎にスイッチを入れる言葉。

神山市の桁上がりの4名家

十文字家(じゅうもんじけ) 荒楠神社(あれくす)

百日紅家(さるすべりけ)書肆(しょし)本を出版したり売ったりする本屋の事

千反田家(じたんだけ)豪農

万人橋家(万人橋家) 山持

第一話 伝統ある古典部の再生 Aパート解説

「あなた古典部だったんですか?折木さん」

「私、千反田です。千反田 えるです。」

選択科目の音楽で1度会ったきりの奉太郎を覚えてる千反田 える。

なんという記憶力だと奉太郎は思う。

 

なぜこの部屋にいるのかと聞く。

古典部に入った挨拶に来たという千反田 える。

折木 奉太郎は、古典部に部員がいる事を聞いて、自分は古典部に入部しなくても良いとおもい退出しようとする。

「あと戸締りの頼む」

そう言って去る幸太郎をえるは鞄を持ってとめる。

「わたし戸締りできません」

鍵を持ってないと訴える千反田 えるに鍵を渡す奉太郎。

「なぜ折木さんは鍵を持ってるんですか?」

「鍵が無ければロックされた教室に入れないだろ」

「千反田はなんでこの部屋に入れたの?」

「鍵がかかっていなかったからです」

自分が入る時は鍵がかかっていたという奉太郎。

その時千反田 えるの瞳が輝く!

この輝きこそが氷菓全体を通して謎解きの始まりを告げる千反田 えるの好奇心が爆発する合図である。

自分は教室に閉じこめられていたんですねと奉太郎に詰め寄る。

押しに負けて後ずさりする奉太郎に更に自分は中から鍵をかけていないと詰め寄る。

その時「ところで、そちらはお友達ですか?」

扉の隙間から福部 里志がのぞき込んでいた。

福部 里志は言う

「ジョークは即興に限る、禍根を残せば嘘になる、これ僕のもっとう」

お互いに自己紹介をおこなうと千反田の名字を聞いたとたん、福部 里志は慌てる。

ここで千反田家の説明が始まる。

十文字家、百日紅家、千反田家、万人橋家。

「桁が上がるから桁上がりの4名家」と福部 里志という。

福部 里志も中から鍵をかける事は不可能と主張する。

「相変わらず無駄に博識だな」

「データベースと言って欲しいね」

それでも、鍵は間違えだろうと帰ろうとする奉太郎に、今作を通じて奉太郎を起動する名台詞となる

「私、気になります!」が炸裂する。

千反田 えるに手を握られて迫られる奉太郎。

それはまるで森の女神に身を拘束されたかの様な描写として描かれる。

この様な美しい描写が京都アニメーションの真骨頂と言える。

少し考えてみると言う奉太郎に更に無邪気に身を寄せる千反田 える。

この辺りが千反田 えるの無邪気な人たらしの所であろう。

男子ならば美少女のえるにここまで接近されて詰め寄られると、意識しないわけがない。

そんな行動を何の邪心もなく天然でできるところが凄い。

「僕は単なるデータベースだから結論を出せないけど、奉太郎は違う、いったん考え出せばそれなりにあてにはなるよ」と福部 里志は言う。

そこから奉太郎の推論が始まる。

他に気づいたことは?という問いに、下からガタゴト音がするというえる。

その時点ですでに推論を完了している奉太郎。

この速さが凄い。

下の階で再現されているだろうと階下へ向かう。

そこには、蛍光灯を好感して周り、鍵を閉めていく用務員の姿があった。

つまり、用務員が蛍光灯を交換する間に地学準備室に入った千反田 える。

地学準備室に生徒が入ったことを知らない用務員は地学準備室の鍵を閉めてしまったと言う事だ。

折木 奉太郎は、

「自分が地学準備室の鍵を持っている。後はマスターキーだが、これは生徒は使えない。」

と推理を展開する。

「よく気づきましたね」と感嘆の目を向ける千反田 える。

なぜ鍵をかける音に千反田 えるが気が付かなかったのかが気になるところ。

それに対して、校舎の外の古い建物を窓を開けてみていたと告げる。

そこには古い建物が建っていた。←伏線です。

 

帰り、下駄箱で「ところで挨拶がまだでしたね」とこれから一緒に古典部と活動していくのに挨拶をしていなかったと告げる。

福部さんもどうですかと福部 里志にも入部を促す千反田 える。

奉太郎は、古典部は廃部にならなさそうなので、入部をするつもりがない。

しかし、里志は面白そうだとといい、奉太郎は入部届も書いている事を明かしてしまう。

はいっと、手を差し出して入部届を要求する千反田 える。

木のツタが表現されて、つぶらな瞳で見つめられると素直に入部届を差し出してしまう奉太郎だった。

「姉貴よ満足か、伝統ある古典部の復活、そしてさようなら俺の安寧と省エネの日々」

学校からの下校中に折木 奉太郎は考えるのだった。

第一話 伝統ある古典部の再生 Bパート解説 清明

「1年生の女子が特別棟の4回に行った」

Bパートは、福部 里志の昨日の奇妙な出来事解説から始まる。

ピアノの月光の旋律が音楽室から聞こえてき。

音色に誘われて音楽室に入るとピアノは鳴りやみピアノの蓋は上がっているのにピアニストは居ない。

そして女子生徒は見た。

長い乱れ髪を顔に垂らし、全身をぐったりして力なく目が血走った女性が傍らから彼女を見つめているのを。

と、よくある学校の怪談の様な話を珍しく宿題を忘れて教室に居残りさせられている奉太郎に里志が話す。

「ちなみに乱れ髪のおばけは本当に居たそうだよ。」

そのうわさがどのぐらいで学校に広まっていくかが重要だと里志が語る。

情報通の里志らしい考え方だ。

「神山高校にもあった、7不思議その2ってね」

「ちょっとまて、今の話、いつどこで誰から聞いたんだ?」

奉太郎は里志に問う。

さっき部室で千反田 えるから聞いたことを里志は奉太郎に告げるのだった。

少し視線をそらし考える奉太郎。

「その2って事はその1もあるんだよな、聞かせてくれ」

珍しく興味深そうに奉太郎が里志に聞く。

忘れてしまい昨日書いた作文をもう一度教室で書く奉太郎の元に千反田 えるがやってくる。

えるは、部長の仕事の書類を総務委員である里志の元に持ってきたのだった。

そして、あの好奇心をもってキラキラした眼差しを奉太郎に向ける。

今にも「私、気になります」と言いだしそうなえるに向けて、珍しく奉太郎の方から問う。

「秘密クラブの勧誘メモの話なんだが、知ってたのか?」

知らなかったらしい秘密クラブの話を里志は語り始める。

「なにせ、神山高校には部活が多い、だから勧誘ポスターの数も当然多くなって学校中の掲示板がポスターで埋め尽くされる」

「総務委員会は無許可のポスターやメモを見つけ次第剥がしてるんだ」

と里志は続ける。

「ところが、毎年たった1枚どこの部活のものか勧誘メモがでるらしい」

「去年はノートの切れ端みたいな紙に集合場所と日時がかいてあったらしいよ」

総務委員会も把握していない秘密クラブがひっそりとぼしゅうをかけているらしい事をえるに里志は語る。

その秘密クラブの名前は「女郎クモの会」

総務委員長の田辺先輩は去年回収したメモを頼りに女郎クモの会を見つけ出そうとするが見つけ出せない。

ところが卒業式の日にある卒業生が田辺先輩に僕が女郎クモの会の会長だと言ったという。

「次期会長にもよろしくしてやってくれ、もし君がそいつを見つけ出せたらの話だが」

と里志は続ける。

えるの瞳がキラメキ名台詞が炸裂する。

「私、気になります」

この時なぜか奉太郎は机の下でガッツポーズする。

「そう言うと思ってた」

と勧誘メモを探すことを奉太郎は提案する。

掲示板は全部で30か所だという。

全部探すかとの問いに。

「まさか、一番ありそうなところを考えた方が早い」

と奉太郎は言う。

一番目立ちにくいところにメモは張られているのではと主張する、える。

しかし、奉太郎は貼られているとすれば一階昇降口の一番目立つ掲示板だと告げる。

その掲示板には無数の勧誘ポスターが貼られている。

奉太郎の視界には、無数の活字があふれ出していく。

「これだけたくさん貼って有れば、無許可の掲示物も目立ちませんね」えるは言う。

それもあるが別の理由があるように奉太郎はいい、とりあえず探そうという。

貼ってあるポスターを探すもそれらしいも物はない。

目立つようには貼られていないだろうと推測する。

「あったぞ」

奉太郎はいとも簡単に女郎クモの会の勧誘メモを見つけ出す。

それは、野球部のポスターの下に貼られていた。

「不慣れな奴ほど奇をてらう、秘密クラブなら堂々と裏をかいてくると読んだんだ」

「そう言われると、あるのが当然という気がして、驚きがありません」えるは言う。

里志は許可印のないメモを廃棄し、奉太郎は作文を職員室に提出し帰るという。

里志も帰るというので、今日は解散と言う事になった。

そして、えるは言う「不慣れなものほど奇をてらう、覚えておきますね」

少し浮かない顔の奉太郎。

帰り道、里志は言う。

「不思議をもって不思議を制するの計、お見事だったよ」

「世話になったな、なんだかアイツが来そうな予感がしたんだ」

「それで、あんなメモや画びょうを用意したと」

先ほどの女郎クモの会の勧誘メモは奉太郎の自作自演であったことを里志がばらす。

「あそこまで手の込んだまねをしてピアノの謎から話をそらせたかったのはなぜだい?」

里志は奉太郎に聞く。

ピアノの謎には刃がたたないからなんていわないだろうと問いただす。

「音楽室は遠いからな」

「それだけ?」

「それだけだ」

遠回りをせず、まっすぐ昇降口から職員室と通って帰りたかったと主張する。

「なるほど、奉太郎だよ、やっぱり」

里志が語る、その画面いっぱいに

「私、気になります」の千反田 えるが映し出される。

「やらなければいけない事なら手短にだ。」

「奉太郎、それはよくないね。」

「もっとうを披露するなら堂々と胸を張って言うべきだ」と里志は主張する。

「今の奉太郎は単に言い訳をしたようにしか聞こえない」

さらに里志は続ける。

「不思議を不思議で迎え撃つ、うん僕好みだ、良い変化球だよ」

「だけどね奉太郎、それは奉太郎好みじゃないよ」

「千反田が来た時、単に知らんと言わなかったんだい?」

「そこが今日の奉太郎の根本的な間違えだよ」

里志は続ける。

「実際奉太郎はずっとそうしてきたじゃないか」

奉太郎は返す。

「そうかもな」

そこに里志はさらに追い打ち的に続ける。

「不慣れな奴ほど奇をてらう、今日の奉太郎がまさしくそれだよ」

「千反田さんがいる状況にまだ全然慣れてない」

「だからあんな回りくどい事をする」

奉太郎は苦々しく聞いている。

「今日奉太郎は千反田さんを拒絶したつもりかもしれない、でもね・・」

「拒絶したかったわけじゃない」

奉太郎が強く否定する。

「もちろんそうさ、あれは現状に対するタダの保留だね」

里志は的確に現状を指摘する。

はっとなって奉太郎が言う。

「保留、そうか保留か」

この一連の会話の中に、奉太郎の初めて抱く感情への葛藤が描かれている様に思える。

省エネモードにするりと入り込んでくる千反田 える。

抗う事ができない自分。

その自分の感情への抵抗、いや保留を実行していた。

しかし、千反田 えるが

「不慣れな奴ほど奇をてらう」と繰り返している時点で、奉太郎の心は見透かされていたであろう。

雨の中を買える2人は、音楽室の件の真相をどう推理するかの話に移る。

女性の状況は寝起きの様だったと指摘する奉太郎。

眠かった女性音楽部員が、目覚まし代わりに音楽プレーヤーのタイマーを入れ音楽室で寝ていたのだろうと推理を奉太郎は話す。

「そんなとこだろう」

「確かに行けばわかる、プレーヤーに設定が残ってるだろうし」

と言う里志に

「音楽室は遠いからなっ」と建前上の理由を言う。

里志は、

「わかったって、ただね奉太郎、音楽室まで行ってた方がゆくゆくは省エネにつながったようなきがするんだ」

さらに里志は続ける。

「今日の屈託は意外と高くつくかもしれない」

と言って二人は別れていく。

去り際に里志は

「奉太郎!今日の事僕は貸しにする気はないよ!じゃ」

そして奉太郎はつぶやく

「保留か」

第一話 伝統ある古典部の再生 感想

最大の謎は折木 奉太郎の行動理由?

Bパートの話の最大の謎は、奉太郎の行動理由だろう。

おそらく、どうしても千反田 えるにのせられてしまい、自分の信条である省エネを貫けない。

千反田 えるが望む通り行動してしまう自分。

そんな自分の行動の理由に対する抗いであったと思える。

抗うために先回りし、千反田 えるの望むことを変えさせた。

えるの思い通りに進めたのではなく、自分の思惑で変えたのだと。

それは、自分の行動を作り出すえるへの感情を認めたくない抗いであったのだろう。

しかし、それは抗いでなく保留だと里志に指摘される。

それに、もう千反田 えるに今回の行動はバレている。

ひょっとすると行動を作り出す奉太郎の感情も。

女性は、その辺りは敏感だから。

だから、えるに主導権を握られている事を認めて、音楽室の件を解決した方が、

実際にはえるに感情を悟られることはなく、

のちのちに省エネモードできたのではないかと里志に指摘されているのだろう。

頭脳明晰で、何もかも達観的、省エネモードの高校生も

やはり一人の思春期の青年である事を表すお話だと思える。

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